病気やけが、心の不調、育児、介護、失業など、人生には働くことが難しくなる時期があります。
しかし、私たちの社会は「働いていること」が前提になっている場面も少なくありません。
では、「働けない期間」があっても安心して暮らせる社会になっているのでしょうか。
誰にでも働けない時期は起こり得る
働けない状態になる理由はさまざまです。
体調を崩したとき。
家族の介護が必要になったとき。
子育てに専念するとき。
長期間のひきこもりや不登校の経験から社会とのつながりが途切れたとき。
こうした状況は特別なものではなく、誰にでも起こり得ます。
問題は、その期間が終わったあとに再び社会とのつながりを取り戻せるかどうかです。
働きたいと思っても、すぐには戻れないことがある
世田谷区の調査では、介護や看護を理由に離職した人のうち、再就職を希望している人は少なくありません。
しかし、実際に再就職できている人はその一部にとどまっており、「働きたいが働けていない」人が存在することが報告されています。
また、就学前の子どもを持つ母親への調査では、
- 「子どもが大きくなったら働きたい」54.7%
- 「1年以内に働きたい」19.4%
となっており、多くの人が将来的な就労を希望しています。
働いていない状態が、必ずしも本人の希望とは限らないことが分かります。
働きたくても働けない理由がある
同じ調査では、働きたいと思いながら働いていない理由として、
- 希望する保育サービスを利用できない 13.5%
- 子育てしながら働ける仕事が見つからない 19.5%
という回答がありました。
つまり、「本人の努力不足」ではなく、環境や制度の問題によって働くことが難しくなっている場合もあります。
世田谷区は「多様な働き方」が必要だと考えている
世田谷区の調査研究では、
「若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、誰しもが活躍できる社会」
の必要性が示されています。
また、働くことについては、
「個人が希望する働き方が本当に実現できているのかを知るには様々な面からの分析が必要」
とも指摘されています。
働いているか、働いていないかだけで人を見るのではなく、その人が置かれている状況や希望にも目を向ける必要があるのかもしれません。
「働けない期間」を支える仕組みは十分でしょうか
働けない期間があること自体は、誰にでも起こり得ます。
大切なのは、その期間に生活が成り立つこと。
孤立しないこと。
そして、再び働きたいと思ったときに挑戦できることではないでしょうか。
安心して相談できる場所。
地域とのつながり。
柔軟な働き方。
再チャレンジできる環境。
そうした仕組みが十分に整っているかどうかが問われています。
みなさんはどう考えますか?
病気や介護、育児、ひきこもりなどによって働けない期間が生じることは、誰にでも起こり得ます。
働けない期間があっても安心して暮らせる社会とは、どのような社会でしょうか。
私たちの地域には、その人が再び一歩を踏み出せる環境が十分にあるのでしょうか。
みなさんはどう考えますか?
【出典】
・世田谷区民意識調査2025(世田谷区)
・『せたがや自治政策 Vol.11 データで見る世田谷区―「働き手」と「働く場」―』(せたがや自治政策研究所)

