「学校に行けなくなったら、家にいるしかないのでしょうか。」
不登校について考えるとき、多くの人は「どうすれば学校に戻れるか」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、学校に行きづらくなった子どもたちにとって、本当に必要なのは「すぐに学校へ戻ること」なのでしょうか。
まずは安心して過ごせる場所や、自分のペースで学べる環境が必要なのかもしれません。
今回は、世田谷区の現状をもとに考えてみたいと思います。
世田谷区でも不登校の子どもは増えている
世田谷区教育委員会によると、区内の不登校児童・生徒数は増加を続けています。
平成30年度には825人だった不登校児童・生徒数は、令和4年度には1,540人となり、約1.9倍に増加しました。
さらに、令和5年度も増加傾向が続いているとされています。
不登校は特別な家庭だけの問題ではなく、世田谷区全体で向き合うべき課題になっています。
子どもたちは何に悩んでいるのか
世田谷区の調査では、最初に学校へ行きづらいと感じた理由として、
小学生では
- 友達のこと
- 先生のこと
- 身体の不調
が多く、
中学生では
- 身体の不調
- 友達のこと
- 勉強がわからない
が多くなっています。
不登校の背景には、一つの理由だけではなく、人間関係や学習面、心や体の不調など、さまざまな要因が重なっていることがわかります。
家以外にも過ごせる場所はある
世田谷区では、不登校の子どもたちのために複数の支援を行っています。
例えば、
ほっとスクール
学校生活への復帰や社会的自立を支援する教育支援センターです。
区内には
- 城山
- 尾山台
- 希望丘
の3か所があります。
令和6年3月時点で約300人が利用しています。
学びの多様化学校「ねいろ」
令和4年に開設された学校です。
少人数で、一人ひとりの状況に合わせた教育を行っています。
令和6年3月時点で44人が在籍しています。
また、入室相談は
- 令和3年度 43人
- 令和4年度 106人
- 令和5年度 147人
と増加しており、利用を希望する子どもが増えていることがわかります。
オンライン支援
「ほっとルームせたがYah!オンライン」では、タブレットなどを使って学習支援や居場所支援を受けることができます。
令和6年3月時点で238人が利用しています。
世田谷区が目指しているのは「居場所づくり」
世田谷区が策定した「学びの多様化学校等基本構想」では、
- 居心地のよい居場所づくり
- 子どもたちが安心して集まれる場所
- 地域の拠り所となる施設
を重視しています。
また、学びの多様化学校は、
「登校という結果のみを目的とするのではなく、社会的な自立を目指す」
ことを理念として掲げています。
学校へ戻ることだけではなく、
「その子が安心して過ごせる場所があること」
が大切だと考えられているのです。
居場所は十分に足りているのでしょうか
一方で、不登校児童・生徒は令和4年度で1,540人います。
ほっとスクールやオンライン支援、学びの多様化学校などの取り組みは進められていますが、利用希望者が増えていることも事実です。
また、世田谷区自身も、
- ほっとスクールの地域偏在の解消
- 学びの多様化学校の増設
- 新たな居場所づくり
の必要性を示しています。
子どもたちが安心して過ごせる場所は、まだ十分とは言えないのかもしれません。
みなさんはどう思いますか?
学校に行きづらくなった子どもに必要なのは、
「学校へ戻ること」
でしょうか。
それとも、
「安心して過ごせる場所や学びの選択肢を増やすこと」
でしょうか。
世田谷には、どのような居場所や学びの場が必要だと思いますか。
ぜひ皆さんの声をお聞かせください。
【出典】
・世田谷区教育委員会「第2次世田谷区不登校支援アクションプラン(令和4年度~令和5年度)概要版」
・世田谷区教育委員会「不登校支援ガイドライン(令和6年3月)」
・世田谷区教育委員会「世田谷区立学びの多様化学校(不登校特例校)等基本構想(令和6年6月)」
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
