世田谷区の予算は、私たちの暮らしとどうつながっているのでしょうか。
「せたがやの声をカタチに」では、予算の金額だけで良し悪しを決めず、地域の声、制度、予算、実施状況、利用実績、成果をできるだけつなげて確認していきます。
第1回は、2026年度(令和8年度)の世田谷区の予算全体を確認します。確認時点は2026年10月です。
結論|4,313億5,300万円を「大きい・小さい」だけで見ない
2026年度の世田谷区一般会計当初予算は4,313億5,300万円です。前年度より317億3,600万円、7.9%増となっています。
ただし、予算は「これから使うお金の計画」です。予算が増えたことと、区民の暮らしが良くなったことは同じではありません。年度途中の変更は補正予算、実際に使った結果は決算、支援が届いたかどうかは利用実績や成果で、別々に確認する必要があります。
地域の声|予算書だけでは分からないことがある
予算の数字だけでは、「制度を知らなかった」「窓口に相談しづらかった」「参加できる場所はあるが入りづらかった」といった暮らしの実感までは分かりません。
一方、今回の第1回について、公開記事にそのまま引用できる形で特定の参加者の声を根拠資料から確認できたわけではありません。そのため、個別の声を事実として作り足すことはせず、今後の対話会や記録で確認できた声を、出典と確認時点を付けて追加します。
現状|一般会計の当初予算は5年間で増えている
一般会計の当初予算は、2022年度の約3,336億円から2026年度の約4,314億円へ増加しています。
区は2026年度予算が増えた背景として、本庁舎や学校などの公共施設整備、障害福祉や保育などの社会保障関連経費、物価・人件費の上昇などを説明しています。
つまり、増えた約317億円のすべてが新しいサービスに使われるわけではありません。施設整備、既存サービスを続けるための費用、物価上昇への対応などを分けて見る必要があります。
数字|予算・補正予算・決算を分けて見る
当初予算は年度の初めに決める計画、補正予算は年度途中の事情に応じた追加・変更、決算は年度終了後に確認する実績です。
2026年度はまだ年度途中です。そのため、2026年度の最終的な決算額や、個々の事業の最終的な成果はまだ確定していません。
また、区は2026年度当初予算の編成時に、事業の終了・廃止・仕様見直し・実績精査・特定財源の増加などにより、一般財源を約28.1億円見直したとしています。ただし、この約28.1億円には国や都などから入る特定財源の増加も含まれるため、「行政サービスを28.1億円削減した」という意味ではありません。
制度・事業|暮らしに関わる取組は複数の分野にまたがる
2026年度当初予算には、一時預かり事業等の利用料無償化、学びの多様化学校の開設、ひとりぐらし高齢者の見守り機器利用補助、終活支援センター、豪雨対策など、暮らしに関わるさまざまな取組が盛り込まれています。
ただし、これらをすべて一括して「孤立・孤独対策」と扱うことはしません。それぞれの事業には本来の目的があります。孤立・孤独との関係は、公式資料で確認できる範囲を区別して整理します。
課題|「予算が付いた」で確認を終えない
予算を見るときは、次の流れをつなげて確認する必要があります。
困りごと → 取組 → 予算 → 実施 → 利用・支援量 → 成果
例えば相談事業なら、予算額だけでなく、相談窓口が知られているか、実際に相談できたか、必要な支援につながったか、その後も支援が続いたかまで見ていく必要があります。
また、議会で質問や要望が出たこと、区が答弁したこと、予算や制度として決定したこと、実際に実施されたことも分けて扱います。
他自治体|第1回では順位づけをしない
自治体の予算規模は、人口、施設整備、事業の分担、会計上の計上方法などによって違います。そのため、第1回では他区との単純な順位づけは行いません。
今後、他自治体と比較する場合は、同じ年度、同じ会計区分、同じ指標、同じ集計範囲で比較できることを確認してから掲載します。
考えたいこと|暮らしから予算を見てみる
予算の専門知識がなくても、地域で考えられることがあります。
「困ってからでは遅い」と感じることはあるでしょうか。制度はあるのに届きにくい支援はないでしょうか。逆に、地域で「これは守ってほしい」と感じる取組はあるでしょうか。
こうした声と行政の数字を照らし合わせることで、予算の優先順位や、次に確認すべき課題が見えやすくなります。
今回確認できたこと
2026年度の一般会計当初予算は4,313億5,300万円で、前年度より317億3,600万円、7.9%増えています。一方、この増加だけから行政サービスや成果が同じ割合で増えたとは判断できません。
今後は、個別の事業について、予算額だけでなく、決算、利用実績、支援が届いたか、暮らしにどのような変化があったかまで確認していきます。
出典・確認時点
主な確認資料は、世田谷区「令和8年度(2026年度)当初予算概要」、令和8年度第1次・第2次補正予算概要、2026年2月3日企画総務常任委員会、3月5日・3月23日予算特別委員会、3月27日本会議、5月26日企画総務常任委員会、6月19日本会議、7月6日本会議の各会議録です。
世田谷区「令和8年度(2026年度)当初予算概要」:公式資料(PDF)
確認時点:2026年10月。議会での説明・答弁・議決は、それぞれの会議開催日時点の内容です。2026年度決算、個別事業の最終実績・成果、その後の補正は別途確認が必要です。
