【施設訪問レポート】就労支援施設ゆに(UNI)を訪問しました

目次

はじめに

「せたがやの声をカタチに」では、地域で暮らす方々の困りごとや、地域で行われている支援について知るため、世田谷区内の相談先や支援機関などを訪問しています。

2026年6月25日、世田谷区上用賀にある「就労支援施設ゆに(UNI)」を訪問しました。

今回は、支援員の佐藤光さんに、施設で行われている作業や、一人ひとりに合わせた支援についてお話を伺いました。

実際に訪問して分かったことと、公開されている資料をもとに、「ゆに」が地域の中でどのような役割を担っているのかを整理します。


訪問概要

訪問日
2026年6月25日

訪問先
就労支援施設ゆに(UNI)

お話を伺った方
支援員 佐藤光さん

所在地
〒158-0098
東京都世田谷区上用賀5丁目14番1号
上用賀アートホール2階

運営
社会福祉法人トポスの会


就労支援施設ゆに(UNI)とは

「ゆに」は、発達障害のある方などの「働くこと」を支援する施設です。

公開されている情報では、次の福祉サービスを提供しています。

  • 自立訓練(生活訓練)
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援B型

自立訓練(生活訓練)は、生活するために必要な力を身につけるための支援です。

就労移行支援は、一般企業などで働くことを希望する方が、仕事に必要な力を身につけたり、就職の準備をしたりするための支援です。

就労継続支援B型は、一般企業などで働くことが難しい方などが、自分の状態に合わせて作業や仕事に取り組む福祉サービスです。

「働く」といっても、必要な準備や希望する働き方は一人ひとり違います。

ゆにでは、それぞれの状況に応じた支援が行われています。


どのような方が利用できますか

世田谷区が公開している情報では、ゆには、

世田谷区内に住む障害のある方で、就職を希望している方や、働き続けるための支援を希望している方

を利用対象としています。

利用にあたっては、まず電話で予約するよう案内されています。

利用できるサービスや条件は一人ひとり異なるため、実際の利用については施設へ確認する必要があります。


主な取り組み

1.一人ひとりに合わせて働き方を考える

今回の訪問で特に印象に残ったのが、一人ひとりの状況に合わせて、働き方を細かく考えていることでした。

スタッフが本人と面談し、

  • どのくらいの時間なら取り組めるか
  • どのような作業をするか
  • どのくらいの頻度で通うか

などについて話し合います。

一度計画を決めて終わりではありません。

本人の状況を確認しながら、必要に応じて何度も話し合い、計画を調整しているとのことでした。


2.さまざまな作業に取り組む

施設では、さまざまな作業が行われています。

訪問時には、

  • 封筒への封入
  • 発送のお手伝い

などの作業について伺いました。

東京都福祉サービス第三者評価では、このほかにも、地域での販売などを通じて社会との関わりを持つ取り組みが紹介されています。

単に作業を行うことだけではなく、それぞれの状況や希望に合わせて、仕事や社会との関わりを経験する機会がつくられています。


ゆにが大切にしていること

東京都福祉サービス第三者評価では、事業者が大切にしている考えとして、次の3点が示されています。

  • 「ここが一番好きといえる居場所に」
  • 「努力より工夫を優先する」
  • 「スモールステップでの達成を目指す」

特に印象的なのが、**「努力より工夫を優先する」**という考え方です。

うまくできないことがあったときに、本人の努力だけに求めるのではなく、

「やり方を変えられないか」

「環境を調整できないか」

という視点から考えることにつながります。

今回、本人と何度も面談し、労働時間や作業内容などを細かく調整していると伺ったことからも、一人ひとりに合わせて方法を考える姿勢が支援の中に表れていると感じました。


利用者の声から見る「ゆに」

東京都福祉サービス第三者評価では、利用者アンケートの結果も公開されています。

たとえば、「職員の接遇・態度は適切か」という質問では、

「はい」82.3%

でした。

自由意見では、

「職員は丁寧でやさしいです」

「やり取りも楽しいです」

といった声が紹介されています。

一方で、すべての利用者が同じように感じているわけではありません。

利用者同士の交流については、「交流は望んでいない」「距離をおいている人もいる」といった声も紹介されています。

このことからも、支援や居場所に求めるものは人によって違うことが分かります。

「みんなで交流すること」を一つの正解にするのではなく、それぞれが過ごしやすい距離を選べることも大切だと考えます。


第三者評価で紹介されている取り組み

東京都福祉サービス第三者評価では、「ゆに」が特に力を入れている取り組みとして、いくつかの内容が紹介されています。

その一つが、**本人による「振り返りシート」**です。

一日の訓練が終わった後に、その日の生活や活動を振り返り、本人の状態や希望を確認するために活用されています。

また、利用者が地域と関わる機会をつくるため、地域での販売活動やイベントへの参加なども行われています。

施設の中だけで支援を完結させず、地域や社会との接点をつくろうとしていることも特徴の一つです。


実際に訪問して分かったこと

今回の訪問で最も印象に残ったのは、限られたスタッフで多くの利用者と向き合いながら、一人ひとりについて細かく支援を考えていたことです。

本人と面談し、労働時間や作業内容などについて何度も話し合っていると伺いました。

「働ける・働けない」と単純に分けるのではなく、

「今はどのくらいならできるのか」

「どのような作業なら取り組めるのか」

「本人はどのような働き方を希望しているのか」

を確認しながら進めていることが印象に残りました。

また、作業そのものだけではなく、本人が無理なく続けられるように調整することも、就労支援の大切な役割なのだと感じました。


地域の中で「ゆに」が担っている役割

就労支援という言葉からは、「就職するための施設」というイメージを持つかもしれません。

しかし、公開されている第三者評価では、

「就労は本人にとって、ライフステージ上の重要な岐路である。当面の目標が就労ではない方にとっても、ゆにでの経験はその後の人生に影響を及ぼす」

という考え方が示されています。

今回の訪問内容と合わせて考えると、ゆには「就職できたかどうか」だけを見る場所ではなく、本人が自分に合った働き方や社会との関わり方を考えるための役割も担っていることが分かります。

働く時間や仕事内容を調整したり、作業を経験したり、地域と関わったりすることも、その過程の一つです。


ここから見えてくる地域の課題

「働く」を一つの形だけで考えない

働き方は一人ひとり異なります。

長時間働くことが難しい方もいれば、まずは決まった時間に通うことから始める方もいます。

すぐに就職することだけを目標にするのではなく、本人の状況や希望に合わせて段階的に考えられる選択肢が地域にあることは重要です。


本人の努力だけに求めない

第三者評価に示されている「努力より工夫を優先する」という考え方は、就労支援だけに限らない重要な視点だと感じました。

本人ができないことを、

「もっと頑張ればよい」

と考えるのではなく、

  • 作業方法を変えられないか
  • 時間を調整できないか
  • 説明方法を変えられないか
  • 周囲の環境を工夫できないか

と考えることができます。

学校、職場、地域活動などでも考えていきたい視点です。


きめ細かな支援をどう支えていくか

今回の訪問では、限られたスタッフで多くの利用者に対応している様子が印象に残りました。

その一方で、一人ひとりと面談し、労働時間や作業内容などを何度も調整するには、支援する側にも時間や専門性が必要です。

ただし、今回の訪問だけで、人員が不足している、あるいは支援体制が十分ではないと判断することはできません。

きめ細かな個別支援を継続するために、支援する側にはどのような環境が必要なのか。

これは今後、ほかの就労支援機関や支援者の話も聞きながら考えていきたいテーマです。


支援先そのものを知ってもらうこと

東京都福祉サービス第三者評価では、発達障害に特化した支援事業所として、地域への情報発信や認知度向上について、さらなる取り組みが期待されるとしています。

どれだけ支援の仕組みがあっても、必要な本人や家族がその存在を知らなければ、支援につながることができません。

「どのような支援先があるのか」

「自分も相談してよいのか」

「どのような段階で相談すればよいのか」

といった情報を、必要な人へ分かりやすく届けることも地域の課題の一つです。


「せたがやの声をカタチに」として

今回の訪問を通じて、「働くこと」を本人の努力だけの問題として考えないことの大切さを改めて感じました。

本人に合った仕事や時間を考える。

うまくいかない場合は、方法や環境を工夫する。

必要に応じて計画を見直す。

そして、本人自身の希望を確認する。

こうした積み重ねが、一人ひとりに合った働き方を考えることにつながります。

一方、今回の「ゆに」への訪問だけで、世田谷区全体の就労支援について評価することはできません。

「せたがやの声をカタチに」では今後も、本人、ご家族、支援者、企業、行政など、さまざまな立場の声を聞きながら、

  • 働きたい人がどこで困っているのか
  • 支援につながりにくい人はいないか
  • 本人に合った働き方を選べているか
  • 支援する側にはどのような課題があるのか

を整理していきます。


施設・相談先情報

名称
就労支援施設ゆに(UNI)

運営
社会福祉法人トポスの会

所在地
〒158-0098
東京都世田谷区上用賀5丁目14番1号
上用賀アートホール2階

電話
03-5797-2343

メール
uni-kinuta@topos.or.jp

主なサービス

  • 自立訓練(生活訓練)
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援B型

利用を希望する場合は、事前に施設へ問い合わせて確認してください。

※利用条件、受付時間、相談方法などは変更される場合があります。最新情報は公式ホームページや世田谷区の公式情報をご確認ください。


出典・参考情報

この記事は、次の情報をもとに作成しています。

  • 2026年6月25日の「ゆに(UNI)」訪問時に伺った内容
  • 世田谷区「就労支援施設ゆに(UNI)」掲載情報
  • 世田谷区障害者就労支援センター ゆに(UNI)掲載情報
  • 東京都福祉サービス第三者評価「就労支援施設ゆに(UNI)」評価結果

第三者評価については、施設自身による評価ではなく、第三者評価機関による評価として扱っています。


地域の困りごと・気づきをお聞かせください

「せたがやの声をカタチに」では、地域で暮らす皆さんからの困りごとや気づきを集めています。

働くことや就労支援について、

「働きたいけれど、どこに相談したらよいか分からない」

「自分に合った働き方が見つからない」

「仕事を続けるために困っていることがある」

「こんな支援が地域にあったらよい」

といったことがありましたら、ぜひお聞かせください。

いただいた声は、個人が特定されない形で整理し、地域の課題を考えるための参考にします。

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この記事を書いた人

吉永しんいちのアバター 吉永しんいち せたがやの声をカタチに 運営

世田谷区に22年住んでいる関西人です。
よくしゃべり、よく笑い、よく食べるタイプです。
趣味は食事とゲームと読書です。

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