【施設訪問レポート】居場所カフェ コモリナを訪問しました

目次

はじめに

「せたがやの声をカタチに」では、世田谷区で暮らす方が抱えている困りごとと、それを支えている地域の取り組みを知るため、地域の支援先や居場所を訪ねています。

2026年8月11日、世田谷区北沢にある「居場所カフェ コモリナ」を訪問しました。

この日は代表の方にはお会いできなかったため、詳しいお話を伺うことはできませんでした。

そのため今回は、約1時間滞在して実際に見た様子と、「居場所カフェ コモリナ 2025年度事業報告書」などで確認できた情報を分けながら紹介します。

あわせて、コモリナのような地域の居場所が、ひきこもりや生きづらさを抱える方と地域との間で、どのような役割を担っているのかを考えます。


訪問概要

訪問日
2026年8月11日

訪問先
居場所カフェ コモリナ

所在地
東京都世田谷区北沢1-24-8

今回の訪問
約1時間滞在

※今回は代表の方へのインタビューは行っていません。


「居場所カフェ コモリナ」とは

居場所カフェ コモリナは、ひきこもりの当事者・経験者などが中心となってつくられてきた地域の居場所です。

案内資料では、

・ひきこもり当事者・元当事者
・家族
・支援者
・生きづらさを抱える方

など、さまざまな人が集まり、地域とつながりながら過ごせる居場所づくりを行っていることが紹介されています。

また、ひきこもり経験者が「ピアサポーター」として居場所のスタッフに関わる仕組みもあります。

「ピアサポート」とは、同じような経験を持つ人同士が、その経験を生かしながら支え合うことです。

コモリナは、世田谷区の「空き家等地域貢献活用事業」を活用し、2023年4月に開設されました。


「居場所」だけではない、さまざまな取り組み

2025年度事業報告書を見ると、コモリナでは、単に場所を開放するだけでなく、さまざまな活動が行われています。

事業報告書には、大きく、

・イベント開催
・表現活動
・地域文庫活動
・講習会開催
・広報活動

などの取り組みが紹介されています。

たとえば「コモリナルマルシェ」では、2025年4月から11月までの間に7回開催されたことが報告されています。

来所者についても記録されており、報告書では来所者内訳80人、年代別では回答が確認できた48人について集計されています。

こうした活動からは、「ひきこもりの方だけの閉じた場所」とするのではなく、さまざまな活動を通じて人や地域との接点をつくろうとしていることがうかがえます。


地域の支援機関ともつながる

コモリナは、地域の中で単独で活動しているわけではありません。

世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」の事業報告では、リンクの利用者がコモリナのスタッフや利用者として参加していることが紹介されています。

また、精神科医の森川すいめいさんを招いた「オープンダイアローグ体験会」や、当事者、家族、支援者などが語り合う「かたら~な」なども、関係する団体と協力して開催されています。

「オープンダイアローグ」とは、本人を中心に、家族や支援者などが一緒に対話を重ねていく考え方・取り組みです。

さらに、リンクの利用者を対象とした女子会もコモリナで共同開催されています。

こうした取り組みから、コモリナは「居場所」という一つの機能だけでなく、本人、家族、支援者、地域の人たちが接点を持つ場所の一つになっていることが分かります。


この日行われていた「珈琲・焙煎体験」

私が訪問した8月11日には、「珈琲・焙煎体験」のイベントが行われていました。

私もコーヒーをいただきながら、約1時間滞在しました。

とても印象に残ったのは、数名のスタッフの方が、それぞれ役割を分担しながらイベントの準備を進めていたことです。

誰か一人がすべてを担うというより、それぞれができることを持ち寄って、一緒に場をつくっているように感じました。

これは、事業報告書だけを読んでいては分からなかった部分でした。


「支援する人」と「支援される人」だけではない関係

今回の訪問で考えたことの一つが、「居場所における役割」についてです。

福祉や支援という言葉からは、

「支援する人」

「支援される人」

という関係を想像しやすいかもしれません。

しかし、地域の居場所では、利用するだけでなく、イベントを手伝ったり、得意なことを生かしたり、ほかの人を迎えたりすることもできます。

コモリナの資料でも、ひきこもり経験者がスタッフとして関わることが紹介されています。

今回の訪問でも、複数のスタッフがイベントの準備を分担している様子を見ることができました。

本人が常に「支援される側」に固定されるのではなく、その日の状態や本人の希望によって、さまざまな関わり方ができることも、地域の居場所を考えるうえで大切な視点ではないかと感じました。


地域の中でコモリナが担っている役割

今回確認できた資料や訪問内容から、コモリナにはいくつかの役割があることが分かります。

一つは、ひきこもりや生きづらさを抱える方が過ごせる「居場所」です。

もう一つは、当事者や経験者がスタッフや活動の担い手として関わることのできる場所です。

さらに、イベントや地域文庫などを通じて、地域との接点をつくる場所でもあります。

そして、世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」や家族会など、ほかの支援機関・団体とのつながりもあります。

こうした複数の役割が一つの場所に重なっていることが、コモリナの特徴の一つと考えられます。


ここから見えてくる地域の課題

今回の訪問から、改めて考えたのが、**「相談窓口と日常生活の間に、どのような場所があるか」**ということです。

困りごとを抱えていても、すぐに行政や専門機関へ相談できる方ばかりではありません。

また、相談機関につながった後も、地域の中で人と関わったり、自分のペースで過ごしたりできる場所が必要な場合があります。

コモリナのような居場所は、専門的な相談機関とは役割が異なります。

一方で、「家から少し出てみる」「誰かと同じ場所で過ごす」「興味のあるイベントに参加する」「自分のできることを手伝う」といった、さまざまな関わり方ができる地域の場には、相談や制度とは違った役割があると考えられます。

ただし、今回の訪問だけで、世田谷区全体の居場所が十分なのか、支援機関と地域の居場所との連携が十分なのかを判断することはできません。

今後、ほかの居場所や支援機関、当事者、ご家族などの声も聞きながら考えていく必要があります。


「せたがやの声をカタチに」として

「せたがやの声をカタチに」では、地域の困りごとを考えるとき、一つの施設や一人の意見だけで結論を出さないことを大切にしています。

今回のコモリナ訪問では、地域の居場所には、

「安心して過ごせる場所」

だけでなく、

「地域との接点」
「人とのゆるやかなつながり」
「自分なりの役割を持てる機会」

といった側面があることを考えるきっかけになりました。

今後も、ひきこもりや生きづらさを抱える本人、ご家族、支援者、地域の居場所、行政など、さまざまな立場の声を聞いていきます。

そして、制度による支援と地域の居場所がどのようにつながれば、必要な方が自分に合った場所を選びやすくなるのかを整理していきたいと思います。


居場所カフェ コモリナ

名称
居場所カフェ コモリナ

所在地
〒155-0031
東京都世田谷区北沢1-24-8

アクセス
小田急線 東北沢駅から徒歩約5分
京王井の頭線 池ノ上駅から徒歩約6分

利用料
無料
※イベントなどは有料の場合があります。

メール
cafe.komorina@gmail.com

公式ホームページ
居場所カフェ コモリナ公式サイト

開所日などは変更される場合があります。利用を検討される場合は、最新情報を公式ホームページ等でご確認ください。


出典・参考情報

・2026年8月11日の現地訪問
・「居場所カフェ コモリナ 2025年度事業報告書」
・居場所カフェ コモリナ案内資料
・世田谷ひきこもり相談窓口「リンク」事業報告書
・居場所カフェ コモリナ公式情報

※今回は代表の方へのインタビューは行っていません。そのため、活動の背景や今後の方針などについて、確認できていない内容は推測して記載していません。


地域の困りごと・気づきをお聞かせください

地域の支援について感じていることや、

「こんなことで困っている」
「こういう居場所があったらよい」
「支援先をどう探せばよいか分からない」

といったご意見がありましたら、お聞かせください。

いただいた声は、個人が特定されない形で整理し、地域の課題を考えるための参考にします。

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この記事を書いた人

吉永しんいちのアバター 吉永しんいち せたがやの声をカタチに 運営

世田谷区に22年住んでいる関西人です。
よくしゃべり、よく笑い、よく食べるタイプです。
趣味は食事とゲームと読書です。

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