【施設訪問レポート】みつけばハウスを訪問しました

目次

はじめに

「せたがやの声をカタチに」では、地域で暮らす方々の困りごとや、地域で行われている支援について知るため、世田谷区内の相談先や支援機関、居場所などを訪問しています。

2026年8月8日、世田谷区にある「みつけばハウス」を訪問しました。

みつけばハウスは、発達障害などの特性がある方を対象に、ピアサポートを取り入れながら、安心して過ごしたり、好きなことや興味のあることに取り組んだりできる場をつくっています。世田谷区の受託事業として実施されています。

今回は、実際に訪問して感じたことと、公式に公開されている情報をもとに、みつけばハウスが地域でどのような役割を担っているのかを考えます。


訪問概要

訪問日
2026年8月8日

訪問先
みつけばハウス

お話を伺った方
尾崎ミオさん

所在地
〒156-0043
東京都世田谷区松原6丁目41番12号

みつけばハウスは世田谷区の受託事業として運営され、現在の公式サイトではこの住所が案内されています。


みつけばハウスとは

みつけばハウスは、学校や仕事、集団での生活などで違和感や生きづらさを感じる若い世代が、自分の好きなことや得意なことを手がかりに、さまざまな経験ができる場所です。

大きな特徴の一つが、**「ピアサポート」**です。

ピアとは、「同じような立場や経験を持つ仲間」という意味です。

みつけばハウスでは、ニューロマイノリティの当事者や、不登校・ひきこもりなどを経験した人を含むピアサポーターが関わっています。

誰かが一方的に「支援する」「支援される」という関係だけではなく、経験や関心を共有しながら一緒に活動することも、大切な特徴です。


どのような方を対象にしているのか

公式サイトでは、普段の生活の中で力を発揮しにくかったり、学校や集団生活になじみにくかったり、自分に合った仕事が見つからなかったりする10~20代の若者世代を主な対象として案内しています。

また、30~50代を対象とした「Mitsukeba middle」や、小中学生向けの出張プログラムも実施されています。

世田谷区の計画資料でも、みつけばハウスは発達障害特性のある若者に対し、ピアサポートや体験型プログラムを提供する事業として位置づけられています。また、30~50代を対象としたミドル世代のプログラムも実施されています。


「好きなこと」から始める

みつけばハウスでは、「苦手なことを直す」ことだけを中心にするのではなく、本人が好きなこと、興味を持っていることを大切にしています。

公式サイトでは、工作、お絵描き、ゲーム、散歩、外遊びなど、趣味を深めたり、人と一緒に楽しんだりできるさまざまなプログラムが紹介されています。

プロの外部講師を迎えたワークショップや、ピアサポーター自身が好きな分野を生かして企画するワークショップも行われています。

実際の活動でも、絵を描いたり、ものを作ったり、ゲームをしたりと、それぞれの興味を出発点にした活動が大切にされています。


「何かをしなければならない場所」ではない

みつけばハウスには、毎週土曜日を中心に行われる「サロン」もあります。

サロンでは、ゲームをしたり、おしゃべりをしたり、絵を描いたりしながら自由に過ごすことができます。事前予約制ですが、利用登録していない方なども参加・見学できると案内されています。

また、大勢での活動が苦手な方に向けて、スタッフと1対1で取り組むプログラムや、刺激を少なくした環境で参加できるプログラムも用意されています。

「みんなと一緒に活動できること」を一つの目標にするのではなく、一人ひとりに合った関わり方を選べることも特徴です。


同じような経験を持つ人がいる安心感

訪問記事を作成した際にも印象に残ったのが、みつけばハウスで大切にされている「ピアサポート」でした。

発達特性や不登校、ひきこもりなどについて、

「自分だけなのではないか」

「どうしてほかの人と同じようにできないのだろう」

と感じることがあります。

同じような経験をした人と出会うことは、「自分だけではない」と感じるきっかけになる場合があります。

一方で、無理に人と交流する必要があるわけでもありません。

人と話したい人もいれば、一人で過ごしたい人もいます。

その違いを前提に、それぞれが自分に合った距離で過ごせる場所があることも大切だと感じました。


実際に訪問して分かったこと

実際に訪問して特に印象に残ったのは、利用している方々が自然にその場で過ごしていたことです。

また、利用する方だけではなく、スタッフの皆さんも生き生きと活動していたことが印象に残りました。これは、以前の訪問記事をもとに作ったシリーズ共通ルールでも、みつけばハウスを例として残しているポイントです。

「支援を受ける場所」という言葉からは、

職員が支援を行い、利用する人がそれを受ける、

という姿を想像するかもしれません。

しかし、実際に訪問すると、もっと自然な人と人との関係があるように感じました。

好きなものの話をしたり、活動に取り組んだり、一人で過ごしたりする。

その中で、それぞれが自分の居方を見つけていることが印象に残りました。


地域の中でみつけばハウスが担っている役割

みつけばハウスは、専門的な相談機関とは少し違う役割を持っています。

公式サイトでも、深刻な相談や専門家による支援が必要な場合は、ほかの支援機関を案内すると明記されています。

つまり、地域には、

専門的に相談する場所

と、

安心して過ごしたり、何かを経験したりする場所

の両方が必要だと考えられます。

みつけばハウスは、発達特性のある方などが、好きなことや人との関わりを通じて社会との接点を持つ「参加の場」の一つとして位置づけることができます。世田谷区の施策資料でも、ピアサポートによる支援や体験型プログラムを通じて社会参加につなげる取り組みとして扱われています。


ここから見えてくる地域の課題

「相談するほどではない」と感じる人の居場所

地域には、医療機関や相談機関、就労支援機関など、さまざまな専門的な支援があります。

一方で、

「何を相談したらよいのか分からない」

「今すぐ何かの制度を利用したいわけではない」

「まず外に出られる場所がほしい」

という段階の方もいます。

制度による支援につながる前や、支援の必要性を本人自身も整理できていない段階で、安心して参加できる場所を地域の中にどうつくるのかは、考えていきたい課題です。


「好きなこと」を地域参加につなげられるか

本人が何に興味を持っているのかは、一人ひとり違います。

みつけばハウスでは、ゲーム、工作、絵、料理、歴史、宇宙、鉄道など、多様な興味をプログラムにつなげています。

地域活動では、ともすると、

「みんなで同じことをする」

ことを前提にしがちです。

しかし、

本人の好きなことから地域との接点をつくる

という方法もあります。

本人を既存の活動に合わせるだけではなく、本人の興味から参加の方法を考えることも、地域づくりでは大切な視点だと思います。


居場所を「次へ進むためだけの場所」にしない

居場所が、

「就職するため」

「学校へ戻るため」

「社会復帰するため」

だけの場所になると、その目標にまだ向かいたくない人にとって、居づらい場所になる可能性があります。

以前のみつけばハウスの記事でも、**「居場所は、一つでなくてもいい」**という視点を整理しました。人によって安心できる場所や、人との関わり方は違います。

まず安心して過ごせる。

好きなことができる。

誰かと話してもよいし、話さなくてもよい。

その先に本人自身が何かをやってみたいと思った場合に、次の選択肢がある。

そのような順番も地域の支援を考えるうえで大切だと感じます。


ピアサポートをどう地域に広げるか

みつけばハウスの大きな特徴の一つは、同じような経験を持つ人同士の関わりを支援に取り入れていることです。

専門家だからできる支援があります。

一方で、

「自分も似た経験をした」

という人だからこそ伝えられることもあります。

専門職による支援と、当事者同士の支え合いを対立させるのではなく、それぞれの役割を生かしながら地域の中でつなげていくことが重要だと考えます。

ただし、今回の一度の訪問だけで、世田谷区全体のピアサポートの状況を判断することはできません。

今後、ほかの当事者活動や支援機関の話も聞きながら考えていきたいテーマです。


「せたがやの声をカタチに」として

今回の訪問を通じて改めて感じたのは、地域で暮らすために必要なのは、「困ったときに相談できる場所」だけではないということです。

安心して過ごせる場所。

好きなことができる場所。

同じような経験をした人と出会える場所。

一人でもいられる場所。

何か新しいことを試せる場所。

それぞれが違った役割を持っています。

一つの施設ですべてを支えるのではなく、本人がその時々の状況に合わせて、自分に合った場所を選べる地域にしていくことが大切だと考えます。

「せたがやの声をカタチに」では今後も、

「安心して過ごせる場所が身近にあるか」

「既存の居場所に入りにくい人はいないか」

「本人の好きなことや得意なことを地域参加につなげられるか」

「居場所と専門的な支援が必要に応じてつながっているか」

といったことを、本人、ご家族、支援者、地域の方などの声を聞きながら整理していきます。


施設・相談先情報

名称
ぴあさぽ「みつけばハウス」

事業
世田谷区受託事業

所在地
〒156-0043
東京都世田谷区松原6丁目41番12号

電話
03-6379-1236

メール
reserve@mitsukeba.com

受付時間
火曜日~土曜日
午前11時~午後6時
※祝日・年末年始を除く

利用について
ワークショップへの参加には原則として登録が必要です。問い合わせ・見学・面談・体験などを経て利用登録する流れが案内されています。利用は無料ですが、プログラムによって実費が必要な場合があります。

※利用対象、プログラム、受付時間などは変更される場合があります。最新情報はみつけばハウス公式ホームページをご確認ください。


出典・参考情報

この記事は、次の情報をもとに整理しています。

  • 2026年8月8日のみつけばハウス訪問時の内容
  • みつけばハウス公式ホームページ
  • 世田谷区の障害施策・子ども若者施策に関する資料

地域の困りごと・気づきをお聞かせください

「せたがやの声をカタチに」では、地域で暮らす皆さんからの困りごとや気づきを集めています。

居場所や発達特性について、

「安心して過ごせる場所が見つからない」

「大勢の人がいる場所には参加しにくい」

「好きなことを通じて人とつながれる場所がほしい」

「どこへ相談すればよいか分からない」

「こんな居場所が地域にあったらいい」

といったことがありましたら、ぜひお聞かせください。

いただいた声は、個人が特定されない形で整理し、地域の課題を考えるための参考にします。

【困りごと・気づきを送る】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

吉永しんいちのアバター 吉永しんいち せたがやの声をカタチに 運営

世田谷区に22年住んでいる関西人です。
よくしゃべり、よく笑い、よく食べるタイプです。
趣味は食事とゲームと読書です。

コメント

コメントする

目次