【世田谷で災害に備える⑫|S-T116】避難生活が長引いても、孤立を深めない支えを考える

災害から命を守った後も、避難生活が続く場合があります。時間がたつと、最初の安全確保だけでなく、健康、住まい、仕事や学び、医療・介護、情報、人とのつながりなど、困りごとの内容が変わります。

ここでいう「孤立を深めない」とは、全員に交流や集団参加を求めることではありません。一人で休みたい希望も尊重しながら、必要なときに情報や支援へつながれる状態を考えます。

目次

避難が長引くと、困りごとも変わります

  • 健康:持病、服薬、睡眠、食事、心身の疲れ
  • 生活:トイレ、入浴、洗濯、着替え、プライバシー
  • 住まい:自宅へ戻れるか、次の住まいをどうするか
  • 情報:支援制度、物資、医療、住宅に関する案内
  • つながり:相談したいときに連絡できる人や窓口

避難所にいる人の数も、時間で変わる想定です

世田谷区の2026年8月更新版の地震被害想定では、避難所で生活する人を、発災1日後151,290人、4日から1週間後168,224人、1か月後52,374人と推計しています。

都心南部直下地震が冬18時、風速8メートル毎秒で発生する条件による区全体の推計で、実際の避難者数ではありません。1か月後にも避難所生活が続く人を想定していることから、長期的な生活支援を考える材料になります。

72時間の先まで生活支援は続きます

  • 初動:救助、避難、安全確認
  • 避難生活:水、食事、トイレ、健康、情報
  • 移行:自宅への帰宅、別の住まいへの移転、手続き
  • 生活再建:医療・介護、仕事、学び、家計、地域との接点

72時間を境に救助や支援が終了するわけではありません。本人の状況や被害によって、必要な支援の順番と期間は変わります。

避難生活の場所は一つではありません

  • 避難所:共同生活の中で物資、健康、情報などの支援を受ける
  • 自宅:建物の安全を前提に、在宅で避難生活を続ける
  • 被災地外:親族宅など、被害の少ない地域へ移動する

どこで生活していても、無条件に安全で支援が届くとは限りません。居所を把握し、情報や支援へつなぐ方法を考える必要があります。

区の優先業務も、1か月まで続く想定です

世田谷区の2026年3月修正の業務継続計画では、非常時優先業務の必要人数を、72時間以内3,437人、1週間以内3,544人、2週間以内3,624人、1か月以内4,397人と見込んでいます。

これは計画上の必要人数で、実際の災害時の職員数や不足人数ではありません。時間がたつほど、生活再建や通常業務の再開を含む仕事が増えることを示す資料です。

避難所を出るときも、相談を続けます

  • 自宅へ戻れるか、建物と設備の安全を確認する
  • 次の住まいが必要な場合、希望と条件を確認する
  • 引っ越しや手続きで支援が必要かを確認する
  • 医療、介護、福祉、学校などとの連絡をつなぎ直す
  • 新しい場所で情報や相談を受け取る方法を決める

東京都の指針には、避難所を解消していく段階で、意向の確認、住宅の確保、移転の支援、引っ越し後の見守りなどを考える内容があります。これは全員に同じ住まいが提供されることを保証するものではありません。

避難所の閉鎖後も支援を切らしません

避難所は、そこに宿泊している人だけの場所ではなく、地域の支援情報や物資の接点になる場合があります。閉鎖や縮小のときには、自宅や別の場所で過ごす人へ、どこで相談や支援を受けられるかを伝える必要があります。

本人が望むつながり方を確かめます

  • 一人で休める時間や場所があるか
  • 話したくないことを無理に聞かれないか
  • 必要なときに相談できる人や窓口があるか
  • 情報が本人に合う方法で届くか
  • 体調や気持ちの変化に応じて支援を選び直せるか

人と一緒にいることや地域活動へ参加することを、孤立を防ぐ唯一の方法にしません。本人が必要とする接点を選べることを大切にします。

自宅へ戻る人も、戻れない人もいます

自宅が残っていても、断水、電気、トイレ、エレベーター、周辺の安全などにより生活できない場合があります。一方、自宅へ戻れず、仮の住まいや別地域で生活する人もいます。

住まいの形だけでなく、医療・介護、家族、仕事、学校、交通、情報などの条件を合わせて、生活再建を考えます。

長期支援を一つの団体へ任せません

  • 区・行政:住宅、相談、情報、制度、関係機関の調整
  • 医療・福祉:治療、介護、生活支援の継続
  • 地域・団体:安全な範囲での情報、交流、見守り
  • 本人・家族:希望や困りごとを伝え、支援を選ぶ

長期化するほど、支援する側にも休息と交代が必要です。善意の一人へ負担が集中しない仕組みを考えます。

生活再建の入口として確かめたいこと

  • 今いる場所と、今後住みたい場所
  • 健康、薬、医療・介護の継続
  • 食事、トイレ、移動など日常生活
  • 仕事、学校、子育てなど暮らしの予定
  • 利用できる相談先、制度、情報
  • 本人が望む人とのつながり方

対話の問い

  • 避難生活が長引くと、最初の数日とはどのような困りごとが変わるでしょうか
  • 避難所を出るとき、住まいと支援を切らさないために何が必要でしょうか
  • 一人で休む希望を尊重しながら、必要な情報や相談をどう届けられるでしょうか

出典・確認時点

この記事は、PowerPoint「S-T116_長引く避難生活と孤立の予防_解説資料」v1.0(2026年10月28日、10月29日追補)をもとに、投稿用に整理しました。

主な確認資料:東京都避難者生活支援指針、世田谷区業務継続計画、世田谷区災害対策強化プラン、世田谷区地域防災計画など。実際の住宅支援、相談先、施設の開設状況は、その時点の公式案内を確認してください。

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この記事を書いた人

吉永しんいちのアバター 吉永しんいち せたがやの声をカタチに 運営

世田谷区に22年住んでいる関西人です。
よくしゃべり、よく笑い、よく食べるタイプです。
趣味は食事とゲームと読書です。

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