学校に行くことが難しくなったとき、その子どもはどこで過ごせばよいのでしょうか。
不登校は特別な家庭だけの問題ではありません。
世田谷区でも不登校の子どもは増えており、学校以外の学びの場や居場所の必要性が高まっています。
では、世田谷区には不登校の子どもを支える場所が十分にあるのでしょうか。
不登校の子どもは増え続けています
世田谷区教育委員会によると、令和4年度の不登校児童・生徒数は1,540人でした。
内訳は、
- 小学生 725人
- 中学生 815人
です。
平成28年度は558人だったため、この数年で大きく増加しています。
不登校は一部の家庭だけの問題ではなく、地域全体で向き合うべき課題になっています。
長期間学校に行けない子どもも少なくありません
令和4年度には、不登校児童・生徒のうち、
- 小学校 55.7%
- 中学校 69.4%
が90日以上欠席していました。
学校に行けない状態が長く続く子どもも多くいます。
そのため、
- 学校に戻るための支援
- 学校以外で学ぶ場
- 安心して過ごせる居場所
のいずれも重要になっています。
誰にも相談できていない子どももいます
世田谷区の調査では、
学校を休み始める前に
- 小学生の31.1%
- 中学生の42.1%
が「誰にも相談しなかった」と回答しています。
また、学校を休んでいる期間中でも、
- 小学生26.9%
- 中学生28.1%
が誰にも相談していませんでした。
支援制度があっても、そこにつながれていない子どもがいることが分かります。
世田谷区では学校以外の支援を広げています
世田谷区では、不登校の子どもを支えるため、
- ほっとスクール(教育支援センター)
- ほっとルーム
- ほっとルームせたがYah!オンライン
- 学びの多様化学校「ねいろ」
などの取組みを進めています。
また、令和8年度には本校型の学びの多様化学校である「北沢学園中学校」の開設も予定されています。
さらに、世田谷区教育振興基本計画では、
- 総合的な相談体制の充実
- ほっとスクールの拡充
- ほっとルーム設置校の拡大
- オンライン支援事業の充実
- 学びの多様化学校の運営
などを重点的に進める方針が示されています。
一方で、支援につながっていない子どももいます
世田谷区の不登校支援ガイドラインでは、
必要な支援を受けられないまま自宅で過ごしている子どもが、
- 小学校 約183人
- 中学校 約151人
いると推計されています。
また、区議会の文教常任委員会では、
- ほっとスクールの利用希望者が増えていること
- 不登校児童・生徒数が増加していること
- 地域による偏りがあること
- 新たなほっとスクール整備の必要性があること
が議論されています。
世田谷区自身も、現在の支援だけで十分とは考えておらず、さらなる受け入れ体制の拡充を検討しています。
「足りている」「足りていない」とはまだ言い切れません
ただし、現在公表されている資料だけでは、
- ほっとスクールの定員充足率
- 利用希望者の待機人数
- フリースクール利用者数
- 利用を希望しても利用できなかった人数
までは確認できません。
そのため、
「支援の場は十分に足りている」
とも、
「明らかに不足している」
とも断定することはできません。
事実として言えるのは、
不登校の子どもは増えていること。
そして、
支援の場をさらに広げる必要性を世田谷区自身も認識していることです。
大切なのは選択肢を増やすことかもしれません
不登校になる理由は一人ひとり異なります。
- 勉強についていけない
- 人間関係に悩んでいる
- 心や体の不調がある
- 学校という環境そのものが合わない
など、その背景はさまざまです。
だからこそ、
「学校に戻る」
だけではなく、
- 少人数で学べる場所
- オンラインで学べる環境
- フリースクール
- 地域の居場所
- 気軽に相談できる場所
など、多様な選択肢が必要なのではないでしょうか。
みなさんはどう思いますか?
世田谷区では、不登校支援の充実に向けた取組みが進められています。
一方で、支援につながっていない子どもがいることも分かっています。
不登校の子どもを学校以外で支える場所は十分あるのでしょうか。
また、これからどのような学びの場や居場所が必要だと思いますか。
ぜひ皆さんの声をお聞かせください。
【出典】
・世田谷区教育委員会「不登校支援ガイドライン」(令和6年3月)
・世田谷区教育委員会「第2次世田谷区不登校支援アクションプラン」
・世田谷区教育委員会「世田谷区立学びの多様化学校等基本計画」
・世田谷区教育委員会「世田谷区教育振興基本計画(令和6年度~令和10年度)」
・世田谷区議会文教常任委員会会議録(令和3年7月29日)
・世田谷区教育委員会「教育総合センター事業概要」

