病気や障害、介護、子育て、失業、ひきこもりなど、私たちの暮らしにはさまざまな困りごとがあります。
世田谷区には、それらを支えるための相談窓口や支援制度が数多く用意されています。
しかし、制度が存在することと、その制度が必要な人へ届いていることは同じではありません。
今回は、「支援制度は本当に必要な人へ届いているのか」という視点から考えてみたいと思います。
世田谷区には相談窓口がある
世田谷区では、区内28地区で、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会が連携し、さまざまな福祉相談を受ける「福祉の相談窓口」を設けています。
高齢者、障害のある方、子育て世帯、生活に困っている方など、幅広い相談に対応する仕組みが整えられています。
しかし相談窓口を知らない人も少なくない
世田谷区民意識調査2025によると、「福祉の相談窓口」について、
- 利用したことがある 19.8%
- 名称は知っている 25.3%
- 取り組みは知っている 8.7%
- 知らない 44.9%
という結果でした。
「知っている」と回答した人は53.7%でしたが、約45%の人は相談窓口そのものを知らない状況です。
制度があっても、その存在を知らなければ利用することはできません。
制度につながる前に立ち止まってしまう人もいる
制度が届かない理由は、情報不足だけではありません。
例えば、
- どこへ相談すればよいかわからない
- 相談するほどではないと思っている
- 人に迷惑をかけたくない
- 家族だけで抱え込んでいる
- 過去の相談経験で傷ついたことがある
といった理由から、支援につながることをためらう人もいます。
特にひきこもりや精神的な不調、家族の問題などは、困りごとが長期間表面化しないこともあります。
若い世代ほど知らない傾向も見える
区民意識調査では、「福祉の相談窓口を知っている」と回答した割合は、高齢になるほど高くなる傾向がみられています。
一方で、20代や30代では認知度が低い傾向も見られます。
支援制度というと高齢者向けのイメージを持たれがちですが、子育て、若者支援、就労支援、ひきこもり支援など、多くの制度は幅広い世代が利用できます。
必要な人ほど情報にたどり着けていない可能性も考えられます。
制度だけではなく「つながり」も必要
行政の制度はとても重要です。
しかし、制度の多くは「相談に来た人」を支援する仕組みです。
そのため、
- 外出できない人
- 人と話すことが苦手な人
- 相談先を探す余裕がない人
には届きにくい場合があります。
だからこそ、地域の居場所や家族会、住民同士のつながりなど、制度につながる前の段階を支える仕組みも大切ではないでしょうか。
世田谷で考えたいこと
世田谷区には多くの支援制度があります。
しかし、区民意識調査では福祉の相談窓口を「知らない」と答えた人が44.9%いました。
制度を作ることは大切です。
同時に、
- 必要な人へ情報を届けること
- 相談しやすい雰囲気をつくること
- 孤立を防ぐ地域のつながりを増やすこと
も同じくらい重要ではないでしょうか。
皆さんは、困ったときに相談できる場所を知っていますか。
そして、その情報は本当に必要な人へ届いているでしょうか。
出典
・世田谷区「世田谷区民意識調査2025」(福祉と医療・福祉の相談窓口の認知度)
・世田谷区「福祉の相談窓口(まちづくりセンター・あんしんすこやかセンター・社会福祉協議会の連携事業)」

