地震と水害では、危険の起こり方も、避難の時期も、必要な備えも異なります。大きな地震では、建物の揺れや火災、停電、断水などが同時に起こることがあります。水害では、川の氾濫と、強い雨で排水が追いつかないまちなかの浸水を分けて考えます。
被害想定は、実際に起きた被害ではありません。地震の種類、時刻、風の強さなど、計算の条件と一緒に読みます。
世田谷区の地震被害想定
世田谷区災害対策強化プランの2026年8月更新版では、都心南部直下地震、マグニチュード7.3、冬の18時、風速8メートル毎秒という条件で、区内の建物全壊・焼失25,757棟、死者645人、負傷者7,132人と推計しています。
建物全壊・焼失25,757棟の内訳は、揺れや液状化などによる全壊6,464棟、火災による焼失19,293棟です。一つの想定条件による区全体の推計であり、実際の被害や特定地域の被害数ではありません。
電気・水道・通信への影響も想定されています
同じ地震条件で、上水道の断水率23.2%、電力の停電率18.9%、ガスの供給停止率14.4%、通信の不通率11.5%、下水道管の被害率5.6%と推計されています。
それぞれの割合は、設備の種類ごとに分母と意味が異なります。足し合わせて被害率を出すことや、各家庭の被害確率として読むことはできません。
避難所を利用する人数も時点で変わります
区の推計では、避難所への避難者は、発災1日後151,290人、4日から1週間後168,224人、1か月後52,374人とされています。
人口移動を含む推計であり、実際の避難所利用者数ではありません。避難所の混雑、在宅避難、地域外への移動などを考える材料として読みます。
水害は、地域と建物の条件を確かめます
- 川に近い場所:川の氾濫による浸水範囲、水位、避難情報
- 低い場所や地下:雨水が集まりやすい道路、地下室、地下駐車場
- 建物:想定浸水深、階数、構造、長くとどまれるか
- 移動経路:冠水しやすい道、橋、坂、複数の避難経路
- 避難の時期:危険が高まる前に移動できるか
地図の色だけを見るのではなく、自宅、学校、職場、よく通る道が、地震や水害でどうなるかを確認します。
災害ごとに備えを分けます
- 強い揺れ:家具の転倒防止、建物と避難経路の確認
- 火災:出火防止、周囲の道路、早めの避難
- 大雨・浸水:川、低地、地下、雨の情報、移動の判断
- 停電・断水・通信:水、携帯トイレ、充電、ラジオ、連絡方法
区の2030年度目標
世田谷区の災害対策強化プランは、2030年度までに、首都直下地震などによる人的・物的被害をおおむね半減する目標を掲げています。避難所、在宅避難、物資供給、地域の防災力などを進め、毎年度の取組状況を確認するとしています。
目標を掲げたことと、被害が半減したことは別です。事業の実施状況、防災意識の変化、訓練や設備の状況を、その後も確認する必要があります。
議会で話し合われた豪雨対策
2026年3月の区議会では、強い雨による浸水被害や下水道整備について質問があり、区は東京都の下水道浸水対策における重点地区の考え方を説明しました。
議会で質問や答弁があったことと、工事の実施、完成、浸水被害の解消は同じではありません。地域では、整備計画だけでなく、住まいと避難の備えも確かめます。
世田谷区と区議会が担うこと
世田谷区は、地域防災計画、避難所運営、情報提供、備蓄、訓練、浸水への備えなどに関わります。河川や下水道など、東京都などが管理する部分もあります。区議会は、区の計画、予算、事業を質問・調査・審議し、その後を確認します。区議会議員個人が、避難指示や工事の実施を直接決めるものではありません。
対話の問い
- 自宅や近所では、地震の揺れ・火災と、雨・浸水のどちらを先に確認したいでしょうか
- 電気や水が使えないとき、料理、トイレ、情報、連絡のうち、何が特に困りそうでしょうか
- 地域の地図や避難経路を、家族以外の人とも、紙と電子の両方でどう確認できるでしょうか
出典・確認時点
この記事は、PowerPoint「S-T105_地震水害と地域の暮らし_解説資料」v1.0(2026年10月28日)をもとに、投稿用に整理しました。
主な確認資料:世田谷区地域防災計画震災編・風水害編、世田谷区災害対策強化プラン2026年8月更新版、東京都避難者生活支援指針、区議会予算特別委員会会議録など。災害時には、その時点の区・東京都・気象機関などの最新情報を確認してください。

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