【世田谷で災害に備える⑧|S-T112】移動や日常生活に手助けが必要な人は、どう避難する?

災害時に必要な手助けは、年齢や障がいの名称だけでは決まりません。階段や長い距離の移動が難しい、音や文字の情報が届きにくい、薬や医療機器が必要など、困る場面は一人ひとり違います。

本人の希望を確かめながら、誰が、何を、どこまで支えられるかを平時から整理します。支援する人の安全も守り、危険な場所へ向かうことや専門的な行為を、地域の人へ無理に求めません。

目次

必要な手助けは、一人ひとり違います

  • 移動:段差、階段、長い距離、混雑が負担になる場合
  • 情報:文字、音、言葉など、通常の案内が届きにくい場合
  • 医療・日常生活:薬、医療機器、介護用品、特別な食事などが必要な場合
  • 家族・支援者:普段付き添う人が不在になったり、連絡できなくなったりする場合

高齢者、障がいのある人、妊娠中の人、乳幼児のいる家庭、医療的ケアが必要な人などを、同じ支援方法で一括りにしません。本人の状態と希望、住まい、災害の種類を合わせて考えます。

移動の困りごとと、事前に確認できること

  • 階段や段差が使いづらい:別の経路、設備の停止時の対応、手助けの方法
  • 一人で移動しにくい:連絡方法、付き添う人、支援を求める窓口
  • 医療・介護が必要:薬、機器、予備電源、必要な書類や情報
  • 案内が届きにくい:筆談、やさしい日本語、大きな文字、音声など

実際の避難経路、施設、支援者、医療・介護の継続方法は個別に確認します。建物や道路が危険なときに、予定していた方法をそのまま実行することはできません。

避難支援は、平時から考え、災害時に見直します

  • 事前:本人の希望と、必要になりそうな支援を整理する
  • 連絡:災害の危険、本人の状態、移動経路を確認する
  • 避難:その時点で安全な経路と助け方を選ぶ
  • 避難後:薬、介護、食事、情報などの支援をつなぐ

これは区や東京都の計画をもとにした整理で、一律の避難手順ではありません。災害時の避難情報、道路や建物の状態、本人と支援者の安全を優先します。

下馬地区の任意調査で示された手助け

下馬地区の2024年の任意アンケートでは、防災ギフトのウェブ申込者3,295人の複数回答で、避難の手助け49.2%、高齢者や身体の不自由な人などへの手助け43.6%、介助・応急手当24.1%が挙げられました。

回答者が「できると思う」と答えた割合で、実際に行った支援の件数や、手助けを必要とする人の割合ではありません。区民全体を代表する調査でもありません。

名簿と個別避難計画は、役割が違います

  • 避難行動要支援者名簿:避難時に支援が必要な人を把握し、制度の条件に沿って情報を扱う仕組み
  • 個別避難計画:誰が、どこへ、どのように避難を支援するかを、本人の状況や希望を踏まえて考える計画

名簿に載ることと、具体的な避難方法が決まっていることは同じではありません。情報の事前提供や計画作成には、区が定める要件や本人の同意が関わります。また、全ての対象者について個別避難計画が完成しているという意味でもありません。

助ける方法は、移動だけではありません

  • 移動の支援:段差、距離、混雑、疲れやすさへの配慮
  • 生活の支援:飲食、排せつ、介護用品、休める場所の確認
  • 情報の支援:筆談、やさしい説明、大きな文字、音声など
  • 医療の継続:薬や医療機器、専門職との連絡

医療行為や介助など、専門的な判断や技術が必要な支援を、一般の住民へ求めるものではありません。本人の希望と、医療・福祉の専門職の判断を尊重します。

避難した後も、生活の支援を続けます

  • 指定避難所:段差、トイレ、仕切り、健康相談など
  • 福祉避難所など:対象や受入れ、移送について区や施設が調整
  • 自宅での避難生活:給排水、電源、物資、訪問支援、連絡方法
  • 知人宅や別地域:安全な移動と、行政・支援機関から情報を得る方法

福祉避難所は、誰でも直接行けば利用できる場所という意味ではありません。開設状況、対象、移送方法、受入れ条件は災害時に確認する必要があります。

日常生活に必要なものを具体的にします

  • 服用している薬と、薬の情報を確認できるもの
  • 医療機器、介護機器、予備電源や交換用品
  • 食事、トイレ、衛生用品など、本人に必要な物
  • 刺激や混雑を避ける場所、相談しやすい環境
  • 本人が話せない場合を含む、必要な支援の伝え方

処方薬の量や服用方法を自己判断で変えることは勧めません。主治医、薬剤師、介護や福祉の担当者など、日頃の関係者と相談します。

区が2026年度に進めると説明した取組

2026年5月の区議会委員会では、福祉の専門職などと連携した個別避難計画の作成、福祉避難所の訓練や運営マニュアルの改善、名簿などを活用した安否確認体制の検討が説明されました。

これは2026年度の事業や検討方針に関する説明です。計画の作成数、全施設での訓練実施、安否確認体制の完成を示す確定実績ではありません。

エレベーターが止まる想定もあります

世田谷区の2026年8月更新版の地震被害想定では、都心南部直下地震が冬18時、風速8メートル毎秒で発生する条件について、閉じ込めにつながり得るエレベーター停止台数を区全体で1,267台としています。

これは推計であり、実際に停止した台数や、特定の建物でエレベーターが止まる確率ではありません。上の階への移動や水・物資の運搬が難しくなる可能性を考える材料として使います。

支援する人にも限界があります

避難支援を地域の一人や家族だけへ任せることはできません。本人、家族、近隣、区、福祉、医療、施設管理者などが、それぞれの安全と役割を確認します。災害後も状況が変わるため、支援方法を見直します。

対話の問い

  • 移動が難しいとき、最初にどのような安全や連絡先を確かめたいでしょうか
  • 助ける人と本人の間で、希望、役割、安全についてどのような約束が必要でしょうか
  • 避難した後も、医療や介護、情報などの支援を続けるには何が必要でしょうか

出典・確認時点

この記事は、PowerPoint「S-T112_避難に手助けが必要な人_解説資料」v1.0(2026年10月28日)をもとに、投稿用に整理しました。

主な確認資料:世田谷区地域防災計画、東京都避難者生活支援指針、下馬地区防災計画、世田谷区災害対策強化プラン、2026年5月の区議会会議録など。実際の避難先、施設の開設、受入れ条件、連絡先は、災害時の最新情報を確認してください。

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この記事を書いた人

吉永しんいちのアバター 吉永しんいち せたがやの声をカタチに 運営

世田谷区に22年住んでいる関西人です。
よくしゃべり、よく笑い、よく食べるタイプです。
趣味は食事とゲームと読書です。

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