【世田谷で災害に備える⑦|S-T111】一人暮らしや、ふだん人とのつながりが少ない人をどう支える?

一人暮らしや、ふだん人とのつながりが少ない人でも、支援の必要性や望む関わり方は一人ひとり違います。一人で暮らしていることだけで「孤立している」と決めつけず、本人がどのような連絡や助けを望むかから考えます。

災害時には、停電や通信障害、交通の停止などにより、普段は保たれていたつながりが一時的に切れることがあります。自宅、外出先、避難所など、いる場所によって情報を受け取る方法や助けを求める方法も変わります。

目次

「一人暮らし」と「孤立」は別のこと

  • 一人の時間を大切にしている人:必要以上の声かけを望まない場合があります
  • 離れて暮らす家族や友人がいる人:地域以外の連絡先が支えになる場合があります
  • 福祉・医療の支援を利用している人:日頃の支援先との連絡が重要になる場合があります
  • 災害時だけ手助けが必要になる人:停電、断水、移動の難しさで状況が変わることがあります

住まい方や年齢だけでは、本人がどの程度つながっているか、どのような支援が必要かは分かりません。声をかける側の善意だけで決めず、可能な範囲で本人の希望を確かめます。

災害で、つながりが切れる場面を考えます

  • 自宅で過ごすとき:停電や通信の不通で、情報や連絡手段が減ることがあります
  • 外出中や帰宅途中:交通が止まり、決めていた集合場所へ行けない場合があります
  • 避難所で過ごすとき:人混みの中で相談しづらく、必要な情報を伝えにくい場合があります
  • 避難所の外で過ごすとき:支援情報や物資の案内が届きにくい場合があります

下馬地区の任意調査で示された「できると思う手助け」

下馬地区の防災計画には、2024年8~9月に防災ギフトのウェブ申込者へ行った任意アンケートの結果が掲載されています。回答者3,295人の複数回答で、災害時にできると思う手助けとして、安否を確かめる声かけ69.7%、物資を運ぶ手助け57.1%、情報の共有55.0%、避難の手助け49.2%が挙げられました。

これは下馬地区の任意回答者が「できると思う」と答えた割合です。区民全体の意見、実際に行った支援の実績、支援を受けたい人の希望を示すものではありません。

安否確認は、安全と本人の希望を前提にします

  • 平時:誰に、どの方法で連絡するかを相談しておく
  • 災害直後:支援する人も含め、まず自分の安全を確かめる
  • 安否確認:事前に決めた方法で無事を確かめる
  • 必要な場合:本人の希望と状況に沿って、区や専門機関などへつなぐ

安否確認のためであっても、居場所、住所、健康状態、家庭事情を広く公開してよいとは限りません。誰に何を知らせるか、どの程度の声かけを望むかを、可能な範囲で本人と相談します。応答がないことだけで、けがや危険な状態と決めつけないことも大切です。

通信・電気・水道が使えない場合も考えます

世田谷区の2026年8月更新版の被害想定では、都心南部直下地震が冬18時、風速8メートル毎秒で発生する条件について、上水道断水率23.2%、電力停電率18.9%、通信不通率11.5%とされています。

これらは区全体の設備や系統に関する推計で、実際の災害被害や、一人暮らしの人が孤立する割合ではありません。指標ごとに対象や分母も異なるため、数字を足し合わせません。

スマートフォン以外の方法も準備します

  • 電話やメールが使えない場合に備え、必要な連絡先を紙にも控える
  • ラジオ、掲示、避難所や地域の窓口など、情報を得る方法を複数考える
  • 災害用伝言サービスなどは、提供条件や使い方を平時に確認する
  • 無理に移動せず、危険があるときは安全の確保と公的な案内を優先する

在宅避難者にも情報と支援の接点が必要です

自宅で避難生活をしていることは、支援が不要であることを意味しません。物資、健康、移動、情報などの困りごとを、本人が使える方法で区や福祉、地域の支援先へ伝えられる接点が必要です。

東京都の指針には、在宅避難者などの居所や必要な支援を把握し、情報を共有する体制を整える考え方が示されています。ただし、世田谷区で全ての在宅避難者を把握できているという実績を示すものではありません。

一人の善意に頼らず、役割を分けます

  • 本人:できる範囲で状況と希望を伝える
  • 知人や近隣の人:自分の安全を優先し、合意した方法で連絡する
  • 福祉・医療の関係者:日頃の支援とのつながりを確認する
  • 区・行政機関:公式情報、相談、避難や生活支援の仕組みを担う

実際の責任や支援範囲は、法令、区の計画、協定、各機関の役割によって異なります。地域の人だけに救助や継続支援を任せるものではありません。

区議会で説明された取組は、段階を分けて読みます

2026年3月の区議会では、通信が途絶した場合の安否確認について、カードや布などを使った地域の事例が紹介されました。同年5月の委員会では、個別避難計画の作成や、名簿などを活用した安否確認体制の検討が説明されています。

地域の事例、継続中の取組、今後の検討は同じものではありません。「検討している」ことを、体制が完成し全員へ実施されていることとして扱わないようにします。

自分のための確認メモ

  • 連絡したい相手や行政・支援機関の連絡先
  • 電話以外に使えそうな連絡方法
  • 移動、食事、医療、情報など、災害時に困りやすいこと
  • 誰に、どの情報まで知らせてよいか
  • 声かけや見守りを希望する場合の方法と頻度

個人情報を記したメモは、不特定の人へ公開せず、本人が管理できる方法で保管します。対話会などで提出したり、読み上げたりする必要はありません。

対話の問い

  • 一人で過ごす人への連絡は、どのような方法なら安心でしょうか
  • 連絡がつかないとき、安全を守りながらどのような手順を考えられるでしょうか
  • 避難所にいない人へ、情報や支援を届けるためにどのような接点が必要でしょうか

出典・確認時点

この記事は、PowerPoint「S-T111_一人暮らしと災害時のつながり_解説資料」v1.0(2026年10月28日)をもとに、投稿用に整理しました。

主な確認資料:世田谷区地域防災計画、東京都避難者生活支援指針、下馬地区防災計画、世田谷区災害対策強化プラン、2026年3月・5月の区議会会議録など。災害時は、区が発信する最新情報と、実際の施設・連絡先の案内を優先してください。

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この記事を書いた人

吉永しんいちのアバター 吉永しんいち せたがやの声をカタチに 運営

世田谷区に22年住んでいる関西人です。
よくしゃべり、よく笑い、よく食べるタイプです。
趣味は食事とゲームと読書です。

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