「本人が外に出たがらない。」
「どこに相談すればよいのかわからない。」
「家族だけで何年も悩み続けている。」
ひきこもり状態にある方の家族から、このような声が聞かれることがあります。
ひきこもりは本人の問題として語られることがありますが、本当にそうなのでしょうか。
今回は、世田谷区の調査や支援の取り組みをもとに考えてみたいと思います。
ひきこもりは本人だけの問題ではありません
ひきこもりの背景は一人ひとり異なります。
- 不登校の長期化
- 人間関係でのつまずき
- 病気や障害
- 発達特性による生きづらさ
- 就労の困難
- 経済的な不安
など、さまざまな要因が重なっていることがあります。
そのため、
「本人のやる気の問題」
や
「家族の問題」
だけで説明できるものではありません。
世田谷区の調査で見えてきたこと
世田谷区が実施したひきこもり実態把握調査では、319件の事例が把握されました。
調査では、
- 10年以上の長期化ケースが37.6%
- 年齢や地域によって状況が異なる
- 同居家族も課題を抱えている
- 家族とのコミュニケーションに苦慮している
ことが確認されています。
また、ひきこもりの状態が長く続くことで、
- 就労
- 健康
- 住まい
- 経済状況
- 家族関係
など、多くの課題が複雑に重なっていくこともわかっています。
家族だけで抱え続けることは難しい
ひきこもりの相談では、
「どう接してよいかわからない」
「話しかけると関係が悪くなる」
「本人が相談を拒否する」
といった悩みが少なくありません。
家族は最も身近な存在ですが、
家族だけで状況を改善しようとすると、精神的な負担が大きくなることがあります。
実際に世田谷区も、ひきこもり支援の対象を本人だけでなく家族も含めて考えています。
世田谷区は地域全体で支える仕組みを進めています
世田谷区は、
「ひきこもり状態にある当事者や家族へのきめ細かな支援体制を構築する」
ことを目標に掲げています。
その取り組みの一つが、ひきこもり相談窓口「リンク」です。
リンクでは、
- 本人
- 家族
- 関係者
からの相談を受け付けています。
また、相談内容に応じて、
- 若者支援
- 就労支援
- 障害福祉
- 医療
- 高齢者支援
- 生活困窮支援
などの関係機関につなぐ仕組みがあります。
さらに、複数の課題を抱えるケースに対応するため、多機関が連携する重層的支援体制も整備されています。
地域にできることは何でしょうか
ひきこもり状態にある方の中には、
相談窓口へ行くこと自体が難しい人もいます。
だからこそ、
- 家族会
- 居場所
- 地域のつながり
- 気軽に相談できる場
の存在が大切になります。
支援とは、
無理に外へ出すことではなく、
「一人で抱え込まなくてよい状態をつくること」
でもあるのではないでしょうか。
みなさんはどう思いますか?
ひきこもり支援は、家族だけで抱える問題なのでしょうか。
それとも、
地域や行政、支援機関がもっと関わる仕組みが必要なのでしょうか。
世田谷には、どのような相談先や居場所、支え合いの仕組みが必要だと思いますか。
ぜひ皆さんの声をお聞かせください。
【出典】
・世田谷区「ひきこもり実態把握調査」
・世田谷区「ひきこもり支援に係る基本方針」
・世田谷区「世田谷区ひきこもり相談窓口『リンク』事業概要」
・世田谷区「第9期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(令和6年度~令和8年度)」
・厚生労働省「地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制整備に関する資料」保険事業計画(令和6年度~令和8年度)」
