「最近、あの人を見かけない。」
「困っている様子だけれど、声をかけてよいかわからない。」
高齢化が進む中で、一人暮らしの高齢者の孤立は全国的な課題となっています。
世田谷区でも、高齢者が安心して暮らし続けられる地域づくりが重要なテーマとなっています。
では、地域は高齢者の孤立に気づくことができるのでしょうか。
世田谷区には多くの高齢者が暮らしています
令和8年4月時点で、世田谷区の65歳以上人口は19万2,943人です。
これは総人口の20.7%にあたり、区民のおよそ5人に1人が高齢者となっています。
また、
- 75歳以上人口は11万1,240人
- 80歳以上人口は6万8,709人
となっています。
高齢化は今後も進む見込みであり、高齢者が地域の中で安心して暮らせる環境づくりはますます重要になります。
一人暮らしの高齢者は少なくありません
世田谷区の高齢者計画によると、65歳以上の方の世帯構成は、
- 単身世帯 34.0%(63,542人)
- 高齢者のみ世帯 38.0%(71,005人)
となっています。
単身世帯だけでも6万人を超えており、高齢者のみ世帯を合わせると、65歳以上の方の約7割が高齢者だけで暮らしています。
もちろん、一人暮らしだから孤立しているとは限りません。
しかし、家族と同居している場合と比べると、体調の変化や生活上の困りごとが周囲から見えにくくなる可能性があります。
地域とのつながりは変化しています
世田谷区高齢者ニーズ調査では、
「友人・知人と週1回以上会う」
と回答した人は、
令和元年度の49.6%から令和4年度には38.7%へ減少しています。
また、
「地域活動に参加している」
人も減少しています。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、人と会う機会や地域とのつながりが弱くなったことがうかがえます。
つながりが少なくなるほど、困りごとを抱えていても周囲が気づきにくくなる可能性があります。
孤立は見えにくい課題です
高齢者の困りごとは、必ずしも外から見えるとは限りません。
例えば、
- 体調の悪化
- 買い物や通院の困難
- 認知機能の低下
- 経済的な不安
- 誰とも話さない日が続くこと
などがあります。
本人が「迷惑をかけたくない」と考え、相談をためらうこともあります。
そのため、
「相談がないから大丈夫」
とは言い切れません。
地域だから気づけることもあります
行政の支援は重要です。
一方で、日常の小さな変化に気づきやすいのは地域の人たちかもしれません。
例えば、
- 近所の方
- 商店の方
- 町会・自治会
- 民生委員・児童委員
- ボランティア
- 地域活動の仲間
などです。
普段から顔を合わせる関係があれば、
「最近見かけない」
「元気がなさそう」
「困っている様子がある」
といった変化にも気づきやすくなります。
気づくためには、まずつながりが必要です
世田谷区民意識調査2025では、
地域活動に参加している人が17.7%、
今は参加していないが参加してみたい人が37.3%でした。
合わせると54.9%の区民が地域活動への参加経験や参加意向を持っています。
地域とのつながりを求めている人は少なくありません。
孤立を防ぐためには、
- 地域のサロン
- 趣味の集まり
- ボランティア活動
- 町会・自治会活動
- 気軽に立ち寄れる居場所
など、人とゆるやかにつながる機会を増やしていくことも大切ではないでしょうか。
みなさんはどう思いますか?
一人暮らしの高齢者の孤立に気づける地域は作れるのでしょうか。
また、そのために必要なのは何でしょうか。
見守りでしょうか。
地域活動でしょうか。
それとも新しい仕組みでしょうか。
ぜひ皆さんの声をお聞かせください。
【出典】
・世田谷区住民基本台帳人口統計(令和8年4月1日現在)
・世田谷区「第9期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(令和6年度~令和8年度)」
・世田谷区「高齢者ニーズ調査」
・世田谷区「区民意識調査2025」

