【世田谷で災害に備える⑥|S-T110】マンション・アパートで孤立しないために備える

マンションやアパートでは、自分の部屋だけでなく、階段、エレベーター、給排水、共用の備蓄、掲示や連絡方法が暮らしに関わります。

分譲マンション、賃貸マンション、小規模なアパートでは、管理の主体や設備が異なります。管理組合への参加や地域活動を一律に求めず、それぞれの住まいに合う備えを考えます。

目次

三つの範囲に分けて考えます

  • 各家庭・住戸:家具、飲料水、携帯トイレ、食料、薬、連絡先
  • 建物の共用部:給排水、階段、エレベーター、備蓄、掲示
  • 地域・区との接点:避難所、情報を得る場所、相談先、近隣との連絡

管理する相手を確認します

  • 分譲マンション:管理組合、管理会社など
  • 賃貸マンション:建物所有者、管理会社など
  • アパート:所有者、管理会社、近隣など

緊急連絡先、共用設備の点検、避難経路、断水時のトイレ、掲示方法を、契約や建物の規模に合わせて確かめます。

地震では設備停止も想定されています

世田谷区の地震被害想定では、都心南部直下地震、冬18時、風速8メートル毎秒という条件で、上水道断水率23.2%、電力停電率18.9%、ガス供給停止率14.4%、通信不通率11.5%と推計されています。

区全体の設備別の割合であり、特定のマンションや世帯の被害確率ではありません。それぞれ分母が異なるため、足し合わせません。

エレベーター停止の想定

同じ地震想定では、エレベーター停止が区全体で1,267台と推計されています。閉じ込めにつながり得る停止台数の想定であり、自分の建物で停止する確率ではありません。

階段を使うことが難しい人、水や物資を上階へ運べない人、掲示やスマートフォンの情報を確認しにくい人がいることも考えます。

自宅に残るには、建物と生活の両方を確認します

  • 建物の安全:揺れ、傾き、火災、落下物
  • 給排水:水道だけでなく排水管の安全
  • 移動:階段、廊下、出口、エレベーター
  • 生活:水、食料、トイレ、薬、電源
  • 情報と支援:管理者、区、地域へ連絡できるか

水が出ても、トイレは別に確認します

排水管が傷んでいると、水道が使えても水洗トイレを流せない場合があります。建物側の案内や設備の安全確認までは、携帯トイレを使うことも考えます。

使用後の保管と回収は、災害時の区や建物の案内に従います。

飲料水は、人数と日数で考えます

飲料水は1人1日3リットルが目安です。1人3日分9リットル、1人7日分21リットル、2人7日分42リットル、3人7日分63リットルです。

高層階では、必要量だけでなく運ぶ方法も重要です。生活用水、介護・医療用品は別に考えます。

建物全体で確かめたいこと

  • 階段・エレベーター:停止時の移動、安全、閉じ込めへの対応
  • 給排水・トイレ:使用停止と再開を誰が知らせるか
  • 備蓄・集積場所:保管場所と、上階へ運ぶ方法
  • 掲示・連絡網:紙、電話、メールなど、情報が届く方法
  • 助けが必要な人:本人の同意を得て、必要な支援と連絡先を確認

区のマンション防災事業への申込み

2026年2月の区議会委員会で、区は、マンション防災事業の申込受付が、一次募集1,170棟、二次募集775棟、合計1,945棟と説明しました。

棟数であり、入居世帯数ではありません。申込みを受け付けた棟数と、備品配送、防災組織の結成、訓練の実施、地域との連携は、それぞれ別の指標です。

防災組織づくりと地域との橋渡し

2026年3月の区議会で、区は、各総合支所から組織結成や計画づくりを支援し、11団体が新たに結成されたと説明しました。1,945棟に対する達成率として読むことはできません。

2026年6月の区議会では、区がアドバイザー派遣や防災区民組織の支援を行い、マンションと町会・自治会などの橋渡しに取り組む方針を説明しました。全建物で実施済みという意味ではなく、町会・自治会への参加を強制するものでもありません。

小規模なアパートでもできること

  • 非常持ち出し品と、紙に控えた連絡先を準備する
  • 階段、出口、共用部、周囲の道を確認する
  • 家具の転倒を防ぐ
  • 断水時の水洗トイレと携帯トイレを考える
  • 管理会社や所有者の緊急連絡先を確認する
  • 避難所や地域の情報を得る方法を決める

世田谷区と区議会が担うこと

世田谷区は、マンション防災への支援、地域との橋渡し、避難所や在宅避難者への情報提供などに関わります。建物の設備管理や契約上の対応は、所有者、管理組合、管理会社などの役割もあります。区議会は、区の事業、予算、申込状況、支援の進み具合を質問・調査・審議し、その後を確認します。

対話の問い

  • 自分の建物で、エレベーター、水、トイレ、通信のうち、止まると特に困る設備は何でしょうか
  • 助けが必要なとき、管理会社、管理組合、区、地域へ、どの方法で伝えられるでしょうか
  • 建物と地域をつなぐため、合同訓練、見学、掲示など、無理のない方法はあるでしょうか

出典・確認時点

この記事は、PowerPoint「S-T110_マンションアパートと地域防災_解説資料」v1.0(2026年10月28日)をもとに、投稿用に整理しました。

主な確認資料:世田谷区地域防災計画震災編、東京都避難者生活支援指針、世田谷区災害対策強化プラン2026年8月更新版、内閣府のトイレ確保・管理ガイドライン、マンション防災に関する区議会会議録、東京都東京防災アクションプランなど。建物ごとの設備、連絡先、支援制度の現在の条件は、管理者や区へ確認してください。

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この記事を書いた人

吉永しんいちのアバター 吉永しんいち せたがやの声をカタチに 運営

世田谷区に22年住んでいる関西人です。
よくしゃべり、よく笑い、よく食べるタイプです。
趣味は食事とゲームと読書です。

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